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端野洋子

2022-06-22

山のお話 第3話「雪割橋」

山のお話

【否定的な扱いですが、セクハラ表現を含みます。】

 

地元の代表的な観光/心霊スポット、雪割橋のお話。

 

作者の地元に「雪割橋」という橋がある。 阿武隈川の上流で、高さが50メートルある。  この橋の怖い話っていうか橋の上がそもそも怖い。 落ちたら助からん!  まぁそういうわけで心霊スポットとしても有名です。

ある渓流釣りの人が体験したという話。雪割橋の下流から 遡上していた時、雨が降ってきた。 「増水する前に撤収しなきゃ。橋の袂の作業道から上がろう」  そう思って竿をしまい雪割橋の真下まで来た。

すると、水面から無数の手が生えている。 雲の切れ間からさした光に照らされて、ゆらゆらと揺れている。 まるでこっちに来いと言っているように。  そこは身を投げた人が発見される辺りなのです。

「ひゃああああ!」その人は無我夢中で道をよじ登り、必死で逃げた。 落ち着いて考えると水蒸気を見間違えただけだろう、とのことでしたが…   この逃げ道になった作業道は、おそらくご遺体を引き上げる時にも使われます。他に適切な経路無いはずなので。

この近辺で何かあると警察・消防のほか地元消防団も出動するわけですが、ある酒の席で団員じゃない男がこんなことを言ったそうです。  「よ~雪割橋で身投げすっと服脱げんだろ?川に揉まれてよ~。若い女もいんだっぺ?」  消防団員、答えて曰く「………何言ってんだおめー」 「やりもしねーでしょうもねぇこと言いやがって!そんなら消防団入って仏さん抱えてみろ!!」  酒のせいだけではないでしょう、この男は消防団員に胸ぐらをつかまれかなり脅かされたそうです。

その男が帰宅して、奥さんが嫌そうに言います。 「飲み過ぎじゃない~?」  「うるせー!風呂!」男はそう吐き捨てて風呂の蓋を開けます。するとそこには体が不自然に捻れた女が、こちらを見上げています。

絶叫する男。そこに奥さんがやってきます。 「ちょっと何~?子供ら起きちゃうでしょ~?」  男は奥さんに振り返り「ばっ!お前何のイタズラ…」と怒鳴ろうとすると「はぁ?」と顔を歪める奥さんの顔に、さっきの女がオーバーラップしてこちらに手を伸ばしてくる。  その後しばらくその男は様子がおかしかったということです。

 

マンガ 山のお話 怪談 怖い話

hnyk01 2022-06-22 23:05

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